Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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へいぼん

平凡・私は懐疑派だ

二葉亭 四迷

Lesen Sie 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.548 Zeichen · 161 Bildschirme

Aozora Bunko

試験が済むと、早速咽喉へ指を突込んで留飲の黄水と一緒に吐出せるものなら、吐出して了って清々したくなる。

何の因果で此様な可厭な想をさせられる事か、其は薩張分らないが、唯此可厭な想を忍ばなければ、学年試験に及第させて貰えない。学年試験に及第が出来ぬと、最終の目的物の卒業証書が貰えないから、それで誠に止むことを得ず、眼を閉って毒を飲む気で辛抱した。

尤も是は数学ばかりでない。何の学科も皆多少とも此気味がある。味わって楽むなどいうのは一つもない、又楽んでいる暇もない。後から後からと他の学科が急立てるから、狼狽てて片端から及第のお呪いの御符の積で鵜呑にして、而して試験が済むと、直ぐ吐出してケロリと忘れて了う。

二十二

今になって考えて見ると、無意味だった。何の為に学校へ通ったのかと聞かれれば、試験の為にというより外はない。全く其頃の私の眼中には試験の外に何物も無った。試験の為に勉強し、試験の成績に一喜一憂し、如何な事でも試験に関係の無い事なら、如何なとなれと余処に見て、生命の殆ど全部を挙げて試験の上に繋けていたから、若し其頃の私の生涯から試験というものを取去ったら、跡は他愛のない烟のような物になって了う。