Japanische Klassiker mit Furigana
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ようねんじだい
幼年時代・晩夏
堀 辰雄
Lesen Sie 幼年時代・晩夏 (ようねんじだい) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.965 Zeichen · 169 Bildschirme
そのうちに又ひょっくり、機嫌買いのお竜ちゃんも遊びにくるようになった。そうやって三人で遊び合うようになってからだっても、お竜ちゃんはますますその本領を発揮した。しかしおとなしいたかちゃんは私にばかりでなく、そういう利かん気のお竜ちゃんに対しても、すべて控え目にしていた。そのために殆ど仲違いもせずに、三人で仲好く遊びつづけていられた。尤も、ときどき女の子同志で小さな諍いをし合っても、いつも私がお竜ちゃんの味方をするので、すぐそれはおしまいになった。それは初夏の日々だった。いまは厚い大きな葉を簇がらせた無花果の木が、私達に恰好のよい木蔭をつくっていてくれた。私達はときどき花莚の上に三人ともごろりと寝そべって、じっとその下に冷たい土の肌ざわりを感じ合ったりしていた。それは私達に睡気を誘うほど気もちがよかった。
ときどき四つ目垣の向うの、或は高く或は低く絶えずかちかちと鉄槌の音を響かせている細工場の中から、(父は屡留守だった……)、よく頓狂な奴だとみんなから叱られてばかりいた佐吉という小僧が、何かの用に立ったりしたついでに、私達をからかったりした。それをきくと、お竜ちゃんは本気になって怒って、それに何か云いかえしたりした。