Japanische Klassiker mit Furigana
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ようねんじだい
幼年時代・晩夏
堀 辰雄
Lesen Sie 幼年時代・晩夏 (ようねんじだい) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.965 Zeichen · 169 Bildschirme
「何かもっと他のことでもして遊んだらどうなの? いつも同じことばかりしていないで……」母さえそういう私達を見ながら言うのだった。
それが私を多少羞じらわせ、そんな女の子のような遊びを続けることを幾分ためらわせた。が、私はすぐ強情を張って、
「これがいいんだい……」とぶっきら棒に答えて、ねえ、たかちゃんと言うように相手の少女の方を見た。
「…………」たかちゃんは何か気まり悪そうに私の母の方を見上げ、ちらっと微笑んで、それから私に同意をした。
たかちゃんはそれから又毎日のように遊びにきた。たかちゃんは私と二人きりだけだと、いつも小さな母親のように私の世話を焼いたりするのが好きだった。最初はそういうおせっかいなやり方が、私には小うるさくて、気に入らなかったが、そのうち不意に、そういうたかちゃんに、これまで自分の母にしつけて来たが、そんなこともいまはちょっと出来にくくなったような幼い日の仕草を再び繰りかえす事に、――そういう事をもいかにも自然に行わせてくれる二人きりのままごと遊びに、妙な魅力のようなものを私は感じはじめた。小さな私がそんな自分よりももっと幼い子の真似をして、花莚にくるまって寝ていると、たかちゃんは小さな母親のように、上手にいろいろとあやしたり、赤まんまなどを食べさせる真似をしてくれたりするのだった。