Japanische Klassiker mit Furigana
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しきぶこうじ
式部小路
泉 鏡花
Lesen Sie 式部小路 (しきぶこうじ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.847 Zeichen · 149 Bildschirme
(上げ板を剥って見ろ、押入の中の夜具じゃねえか、焦臭いが、愛吉の奴がふて寝をしていやあがるだろう。)
なんてって親方徒が、串戯にもいったんですが、それでもざっと一年ばかり、彼奴の火沙汰がなかったんです。
すると、おかみさん、どうでしょう、念にゃ念の入った、この夏、八月の炎天に、虚空を飛んで、ごろごろと舞い戻りやがって、またぞろ、そこら転がって歩行くでさ。へい。」
といって煙を吹いた。顔が赤く、目が円い。この若いもの、余程おびえているのである。
余りの事に、はじめは笑って聞いていた女房は、なぜか陰気な顔をして、
「厭だよ、どこから舞い戻って来たんだねえ。」
「それがどうです。そら、そういった工合で、東京中は喰い詰める――し、勿論何でさ、この近在、大宮、宇都宮、栃木、埼玉、草加から熊ヶ谷、成田、銚子。東じゃ、品川から川崎続き、横浜、程ヶ谷までも知っていて対手にし手がないもんですから、飛んで、逗子、鎌倉、大磯ね。国府津辺まで、それまでに荒しゃあがったんでね、二度目に東京を追出てもどこへ行っても何でしょう、おかみさん。
(は、愛吉か、きなッくさい。)
と鼻ッつまみで、一昨日来い! と門口から水でしょう。