Japanische Klassiker mit Furigana
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しきぶこうじ
式部小路
泉 鏡花
Lesen Sie 式部小路 (しきぶこうじ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.847 Zeichen · 149 Bildschirme
へへへへへ、先刻はどうも、」
とそれもこれも弱った顔色。
お夏は耳敏く聞きつけて、
「おや、さっきも来たの。」
女房のいらえぬ前、慌てて調子高に愛吉はごまかす気、
「だって、お嬢様、見ッともないや、」
「可いよ。」
「日、日傘をさしてお歩行きなさいな、深張でなくってもです。」
「人が笑いますよ。」
「誰が? え、何奴が笑うんで、」
と、すぐにひらめく眉の稲妻。
お夏は真面目に、わざと澄ました顔で、
「威張ったって不可ません、」
「それだって、馬鹿ンつら。」
「でもさ、」
「何故、お嬢様、」
「笑う人はね、お前より強いんだもの。喧嘩をしたって負けますよ。」
といい得て、花やかに浅笑した。お夏さん残らず、御存じ。
女房思わず吹き出して、
「ほほほほほ、」
狐床の火の玉小僧、馬琴の所謂、きはだを甞めたる唖のごとく、喟然として不言。ちょうど車夫が唐縮緬の風呂敷包を持って来たから、黙って引手繰るように取った。
「さあ、お入りな。」
後姿でお夏は格子を、
「おばさん、緩りだったでしょう、」
女房が前へ立って、
「お疾うございましたこと、何は、あの此間から行って見たいッて、おっしゃってでした、俤橋、海晏寺や滝の川より見事だッて評判の、大塚の関戸のお邸とやらのもみじの方は、お廻りなすっていらっしゃいましたか。