Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふおう
恐怖王
江戸川 乱歩
Lesen Sie 恐怖王 (きょうふおう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.038 Zeichen · 133 Bildschirme
間もなく、年配の店員が常傭の刑事探偵二人を従えて駈けつけて来た。
見物達は、婚礼式の場面の前から追いのけられた。二人の刑事と蘭堂とが舞台に上って行った。
「やっぱりそうだ。これは人形じゃない」
一人の刑事が、近々と花嫁人形を覗き込んで叫んだ。
「だが、この手は両方とも、コチコチ云うぜ、確に人形の手だぜ」
今一人の刑事は、花嫁の両手を叩き合わせながら、不思議そうに云った。
「イヤ、この死人には両手がないのです。賊の為に切取られたのです。だから、手丈けは人形の手がつけてあるのです」
蘭堂はそう説明しながら、花嫁の顔に触って見た。木にしてはあまり冷い。その上、フカフカと弾力があるのだ。
「ヤア、ひどい匂だ。どうしてこの匂に気がつかなかったのだろう。近寄って見たまえ、たまらない匂がする」
刑事の一人が無作法に怒鳴った。
かくして、花園京子の死体は発見されたのである。
賊は確に彼の約束を実行した。衆人環視の百貨店内に於て、恐ろしき結婚式を挙行した。
だが、発見されたのは花嫁ばかりだ。花婿は一体どうしたのだ。お嫁さんばかりの婚礼式なんてないことだ。
すると、このとりすました花婿人形が、やっぱり本物の人間なのだろうか。