Japanische Klassiker mit Furigana
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ししょ
戦国武士道物語 死處
山本 周五郎
Lesen Sie 戦国武士道物語 死處 (ししょ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.176 Zeichen · 33 Bildschirme
二
「父上、このたび四度目の御出馬に、留守城番をお願いなされたと申すのは事実でございますか」
「……それがどうかしたか」
「父上みずから留守城番をお望みなされたのかどうかを、うかがいたいのです。お館よりのお申付けでございますか、それとも、ご自身お望みなされたのでございますか」
清胤は黙ってわが子の眼を見ていた。通胤もまた父の眼を刺すように瞶めていた。父と子はその一瞬、まるで仇敵のように互いをねめ合ったのである。……しかし、やがて清胤がしずかに答えた。
「お留守役は、おれが自らお館へ願ってお受けしたのだ。おまえそれが不服だと云うのか」
二
「父上!」
通胤はさっと色を変えながら、
「こなたさまは、世間でこの千坂家をなんと評判しているかご存じでございますか」
「知っていたらどうする」
「千坂は弁口武士だ、戦場へは出ずに留守城で稼ぐ、そう申しているのをご存じですか」
「…………」
「それをご存じのうえで、このたびも留守役をお望みなされたのでございますか」
千坂対馬が信濃出陣に供をしたのは、第一回のときだった。それも、川中島へ出は出たものの、しんがりにあって、主に輜重の宰領に当っていた。