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Japanische Klassiker mit Furigana

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ししょ

戦国武士道物語 死處

山本 周五郎

Lesen Sie 戦国武士道物語 死處 (ししょ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.176 Zeichen · 33 Bildschirme

Aozora Bunko

「……ならん、おまえは父と残るのだ」

「いや、たとえ御勘当を受けましょうとも、このたびこそは出陣をいたします、ご免」

云い捨てて、立とうとする通胤の、袴の裾を、清胤は足をあげてはたと踏みとめた。

「ゆるさんぞ通胤、おまえは千坂家の長子だ。父のおれがゆるさぬと申したら動くことならん。おれならでは留守のかためができぬからお受けしたまで、戦場ご馬前で働くのも、留守城を預ってかたく護るのも、武士の奉公に二つはない。うろたえるな!」

通胤は身をふるわせながら居竦んでいたが、やがて悄然と立って自分の部屋へ去った。

それとほとんどいれちがいに、五人の客が訪ねて来た。親族のなかに口利き役がそろって、用件はやはり留守役のことだった。……かれらもまた口を揃えて清胤の非をなじった。親族一統の面目にかかわるとまで云いたてた。

通胤は客間から聞えてくる罵りの声に耳をすましていたが、やがて裏手へおりてゆくと、馬をひきだして屋敷を出て行った。

もう出陣の支度をはじめたとみえ、活気のあるざわめきが辻々に漲っている。かれは追われるような気持でその街並を駆っていたが、石川備後の屋敷へ来ると馬をおりた。