Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ししょ

戦国武士道物語 死處

山本 周五郎

Lesen Sie 戦国武士道物語 死處 (ししょ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.176 Zeichen · 33 Bildschirme

Aozora Bunko

「ぜひあなたさまのお口添えをお願い申したいことがございまして」

「……なにごとでしょうか」

通胤は罰を受ける者のように、眼を伏せ頭を垂れた。娘の温かい眼もとには、男の心をよく理解したやさしい憐みの色がにじんでいた。

「ご承知のように、わたくし共女子や子供たちの多くは、お触れによってずっと城中にあがり、矢竹つくりやお物具のお手入れをいたしておりますが、いまだにいちども屋敷へ下げて頂けぬ者が多うございます」

「さぞ御不自由なことでしょう」

「いま合戦の折からゆえ、不自由はどのようにも忍びますけれど、お物具の手入れは終りましたし、矢竹つくりは屋敷にいても出来ますことゆえ、お城から下げて頂けますようお願い申したいと存じます」

「それならわたくしがお伝え申すより、係りへじかにお申出でなさるがよいと思いますが」

「それはあの、もう再三お願い申したのですけれど、……御城代さまからどうしてもお許しが出ませんので」

通胤ははっと息をのんだ。

――此処でもまた父が。

そう思うと恥ずかしさで身が竦むような気持だった。

「そうですか、ではわたくしからすぐに話してみましょう」

「ご迷惑なお願いで申しわけございません」