Japanische Klassiker mit Furigana
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たんていしょうせつのなぞ
探偵小説の「謎」
江戸川 乱歩
Lesen Sie 探偵小説の「謎」 (たんていしょうせつのなぞ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.820 Zeichen · 235 Bildschirme
近代英米長篇探偵小説の八割までが、なんらかの形で一人二役のトリックを取り入れているのは、おかしいほどであるが、これは作者たちに智恵がないことを証するよりも、一人二役型の恐怖がいかに深い魅力を持っているかを証するものと見るべきである。この恐怖はまた二重人格離魂病の伝説などにも関連しているのだが、この型を代表する作品はスティヴンスンの「ジーキル博士とハイド」であって、これをジーキル・ハイド型のスリルと呼ぶことができる。また一人二役の裏は双生児トリックであるが、その恐怖を代表する作品はポーの「ウィリアム・ウィルスン」エーホルスの「プーラーグの大学」などであって、これをかりにウィリアム・ウィルスン型のスリルと名づけてもよいと思う。自分自身と寸分顔形の違わぬやつが、この世のどこかにいて(ひょっとしたら、そいつはすぐ身近にウロウロしているかも知れない)どんな恐ろしい悪事をたくらんでいるかわからないという気持は、ほとんどたえ難い恐怖であろう。どこかの雑沓の群集の中で、あるいはまた人影もない闇夜の四つ辻でヒョイとそいつに出会うかも知れないという想像には、実に恐ろしいスリルを含んでいる。