Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 176.911 Zeichen · 353 Bildschirme
「えッ、いいなずけだって」
「いや、ゆく末、夫婦の約束をしたんだから、内縁の女房といったほうが分るだろう」
「ほんとかい、なるほど、美い女だが」
「だれが、嘘をいう!」
と、三蔵は、仲間へ、誇っていった。
「美しいのは当り前。おれのお母や親父の旧主、小野政秀さまのわすれがたみの姫さまだ。……おれのおふくろは、この姫さまの、乳母だったのさ」
「ふウむ。その姫さまが、よくおめえなどと、夫婦約束などしたもんだな」
「見下げるない! こう見えても、三蔵様は、さきにも、犬山攻めのとき、大功をたて、やがては、池田家随一の出世はきまっているんだが、戦さえすめば、おれはこの於通と一しょに、都へ出て、暮すつもりさ。……だが、於通、いったい、そんな身なりで、何しに、こんな所を歩いていたのだ」
三蔵は、仲間の者を見まわして、急に、間がわるそうな顔をした。
「……すまねえが、みんな、ちょっと、遠慮していてくれねえか。俺はいいが、お姫さま育ちの於通……おめえたちが、ずらりと、見物していちゃあ、何も、口がきけねえらしい。たのむから、ほんのチョンの間、ここは二人だけにして、あっちへ行っていてくれねえか」