Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.406 Zeichen · 381 Bildschirme
――家中一統の参拝はもうすんで、皆帰られたが、まだお館様と主なる方々には、御休息中でいらせられる。それゆえ、御帰館までは、この先、往来止めと立札の建っておるのが見えんか」
「見えたればこそ、急ぎ通るのだ。仔細も糺さず、騎馬の脚を撲るとは無礼であろう」
「何、見えたればこそ……だと、高札は、法令であるぞ」
「わかっておる」
「申したな。縛め捕れこの者をッ」
「待てッ」
「後で申せ」
「いや、おん身らの落度になっては気の毒だから先にいうて聞かすのだ。この方のふところには、大高城の守将鵜殿長照様より、お館様への火急な軍状を所持しておるのだぞ」
「や。急使か」
「軍状を所持する場合は、貴人に出会っても、下馬に及ばず、大手唐橋の門内まで、乗りつけも御免に相成っておる」
「勿論」
「故に、臨済寺の門前まで、騎馬のまま駈けようとしたが、なぜ悪い」
「軍状を持った急使とわかれば止めはせん。無断、駈け通るゆえ」
「断っている間などはない」
「では、お通りなさい」
「ただは通らん、謝れ」
「咎めるのも役目だ。謝るほどなら君命を待って腹を切る。謝らん」
「その挨拶気に入った。よし然らば、預けておくぞ」