Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.406 Zeichen · 381 Bildschirme
で、何気なくいった。
「大高の城は、敵地の中だ。まちごうたら全滅、決死の覚悟をもたねば参れぬぞ。――懸命にしてのけよ。もし見事、大高一城の者の生命を救い得た時は、その褒美として、多年、三河におるお許の老臣どもが宿望としておる――当主元康の本国帰城をゆるしてつかわすであろうぞ」
「ありがとう存じまする」
「七歳の折から質子として他国に在る其許、お許も帰りたかろうでの」
「さほどにも思いませぬ」
「お許はさほどに思わずとも、三河の老臣どもは、やはり主は主として身近に置きたいは山々じゃろ。むりもない多年の願い、この度は、大高城において、見事手がらを立てられよ。それをもって――帰してとらせる」
「はい」
元康は、謹んで命をうけた。そしてまた、義元の誓いにも心から礼をのべ、退りかけた。
幕将たちは、多分な不安でさっきから眺めていたが、既に事が決まったので、このうえ充分に用意して行かれよと、大高附近の地理、織田軍の兵質、合戦の心得、小荷駄のことなど、何くれとなく、先輩として事細かに教え合った。
「はい。……はい」
元康は、心得ぬいていることでも、素直に、神妙に、いちいち手をつかえて聞いていた。