Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.406 Zeichen · 381 Bildschirme

Aozora Bunko

答「然ラズ」

問「而モ、加勢モナク、信長ノ出動モナキハ」

答「彼等ニ、御味方遮断ノ自信アルト見ユルナリ」

問「最モ、手強キ敵塁ハ」

答「鷲津、丸根ノ二塁ト見ラレテ候」

問「味方、前進猪突シテ、勝利ノ分アリヤ無シヤ」

答「断ジテコレ無シ」

――と、いったような応答が、かなり細微にわたって交わされた。

何事にも、大事に大事をとって、石橋を叩いて渡る主義の元康は、甚七のほかにも、石川左門、杉浦勝次郎、同八郎五郎など、側物見六名を、ゆうべから今朝にかけて放っておいた。

その物見組の者が、次々に、ここへ帰って来た。

そして幾分かの観察の差はあるが、大部分は、同様な報告をもたらした。

ただ、甚七を加えて、七名の物見が、完全に意見の相違を呈したのは、

(前進して、松平軍に勝味があるか、否か)

という問題であった。

七人のうち、六名までが、

(勝味なし)

と、味方の前進を危ぶんだ。

それは、地形から見ても、人数から見ても、あらゆる角度から見て、大高城へ近づくまでには、味方の全滅を覚悟しなければならない条件のみが備わっていた。いわゆる兵法でいう死地であった。

もっとも、そのために、大高が孤立し、幾度の援軍も、兵糧搬入も失敗して、元康が選ばれて来たわけであるから、今さら、ここで二の足を踏む理由はないわけだった。