Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.406 Zeichen · 381 Bildschirme
「あまり口はきかぬ寧子でござりますが、こうと思いさだめたことは、なかなか変える娘ではございません」
「…………」
又右衛門の父性的な取りこし苦労は、ひとりですもうを取って、ひとりで投げすてられたような手もち無沙汰をおぼえた。
ここのところ、とんと顔も見せないので、先も忘れぎみかと思っていた藤吉郎のすがたが、ふたたび家庭の中に、又右衛門夫婦や寧子の胸に、眼の前の人として、大きくうかび出して来た。
翌る日、又右衛門はさっそくに、名古屋因幡守のほうへ、返辞に出向いたらしかった。
帰ってくる早々、
「いや、わからぬもの、案外なおはなしの筋じゃった」
と、妻にいう。妻は、良人の顔いろで、すぐ外のことを知った。都合よくはなしが運び、良人の胸も解けて、寧子の問題に、明るい光がさして来たことを、共に笑顔へあらわした。
「きょうはの、思いきって、どうして因幡守様が、寧子の聟ばなしになど、お口添えあそばすか、そこを、お主筋のお方で、寔に伺い難かったが、――お糺し申してみたところ、何と、前田犬千代から頼みがあって、では、口をきいて遣わそうということになったのじゃそうな」
「え。