Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.406 Zeichen · 381 Bildschirme
初めての御見、この後はわけても御昵懇に」
すぐまた、
「てまえは、こひ殿の姉にあたる者の良人、医師の三雪と申すもの」
と、べつな一組があらわれていう。藤吉郎は、誰が誰の伯父やら姪やら従兄弟やら、覚えきれないほどな縁者に一度に会った。
(多いなあ、親類が)
ひそかにこの後のうるささも思われた。けれどまた、にわかにきれいな妹だの、話せそうな伯父だの、叔母だのが殖えたことも、彼の気もちを賑わした。身寄りのすくない、寡婦の母の手には育てられたが、彼の性格としては、大勢がすきだった。大勢で賑かによく働きよく笑える家庭が理想だった。
「聟殿。しからば、あちらの祝言のお席へ」
媒人夫婦は、こう促して、やがて聟どのを伴って、こよいの曠の席へ――といってもすぐ二間越しのそこもそう広からぬ一間であったが、設けの席へ誘って、聟殿の坐るところへ聟殿を坐らせた。
水掛祝い
秋とはいえ屋の内は、まだ蒸し暑い気もする八月の夜なのである。
窓すだれも軒すだれも、まだ夏のまま懸け残されてあった。そこへ洩れてくる虫の音と夜風に、短檠の灯は仄かにたえずうごいている。そして塵一つない婚礼の席は、華燭という文字には当嵌らないほど仄暗かった。