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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.406 Zeichen · 381 Bildschirme

Aozora Bunko

そして酔い興じた群れに囲まれてゆく友達の中の良人を追って、

「行っていらっしゃいまし」

藤吉郎の懐に、彼女がさし入れた金入れの巾着が残っていた。それも分らないほど酔っている聟どのでもない。しかし、それではッとしたりするほど初心な聟どのでもない。流れる水のままに押されてゆくように、藤吉郎の振る手も首も、大勢の友につつまれて、紅い夜霧の彼方へ薄れて行った。

いつも、城内の若殿輩が押しかけては、酒陣をかこむ布川という茶屋がある。この須賀口の古駅に織田家や斯波家などの領主よりも以前から住んでいる酒商いの老舗から転化して、茶屋になったものというから、その屋構えの旧さも間の抜けたほどの大まかさも知るべきであるが、清洲の若殿輩にはそれが気に入って、何かといえば、

「布川へ参ろう」

「ぬの川へ」

が、酔うとすぐ囈言のように、誰の口からとも出て来るのであった。

もとより藤吉郎も再三ならず布川に馴染んでいる。いやこういう所に集まる時などは、彼の顔が見えないと、茶屋の者も友達も、一本の歯が足らないような物淋しさを覚えるのが常で、何かの行合わせで、彼を誘わずに来ても、とどのつまりは、