Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.406 Zeichen · 381 Bildschirme
「はい」
「やがては、ひとつ家庭に、其女も共に住むことになるが――良人の世話は第二でよろしい。母上の孝養を、母上のおよろこびを、第一として侍いてもらいたい」
「……はい」
「わしの母は、侍の家には生れたものの、わしの生れる前からずっと中村の水呑み百姓。わしを頭にたくさんの子を貧窮の中にお育てなされ、子を育てることと、貧苦を切り抜けることのほかには、冬の綿子、夏の小袖一枚、自分の身にする楽しみやお生活は、何一つなく過して来られたお人じゃ。……だから世間の知識にもおうとく、言葉も鄙び、礼儀作法とか交際事にもとんとお晦いが――そうした母にも、そなたは嫁女として、心から侍いてくれるか。いや、敬うてお添いできるか」
「できまする。お母あ様のおよろこびは、あなた様のおよろこび。自然できることとぞんじまする」
「――が、其女にも、健在な両親がある。わしにとっても、同様に、大事なお舅姑方だ。わしはおまえに負けないで孝行を尽してあげる」
「うれしゅうございます」
「総じて、一家を持ったらば、良人の気を歓ばせようために、良人の身まわりばかりに気を取られるな。軽くしておくくらいでも愛情は自然に通う。