Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.406 Zeichen · 381 Bildschirme

Aozora Bunko

欣んでさえくれれば、男はまた、あしたの戦場へ、勇気づいて出て行こう。まあ、内助とでもいうことかな」

「かしこまりました」

「ところで、今度は、其女からわしへの希望を聞こう。いうてみい。わしも誓う」

そう訊かれても、寧子は何もいえなかった。黙っていた。

「妻が良人に欲するもの。そなたに望みがいえぬなら、わしが代っていってやろうか」

藤吉郎のことばに、寧子はにこと頷いてみせた。そしてすぐまた、さし俯向いてしまう。

「良人の愛ではないか」

「…………」

「ちがうか」

「……いいえ」

「変らぬ愛だろう」

「ええ」

「よい子を生んでくれ」

寧子は、おののいていた。燭があったら、その顔は丹のように燃えていたろう。

三日の内祝がすんだ次の日である。縁者廻りの第一に彼と新妻は正装して、この度の婚儀に、媒人の声がかりを賜わった主君のお従兄弟、名古屋因幡守を堀川の邸に訪ねて、

「これがその妻の寧子で。お眼にかけに参りました」

と、挨拶をのべた。

見くらべて、

「似合い者じゃ」

と、因幡守は世辞をいった。若木の新しい世立ちをながめるのはよいものであった。因幡守も大いに満足して、酒など与えてもてなしながら、