Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.406 Zeichen · 381 Bildschirme
叔母御がうろうろ泣くので、子ども達までベソを掻いている。いずれは貧乏、それにこんな滅入りこんだ家族どもを置いて出ては、乙若どのも、よい働きのできよう理はない。――其女は後に残って、皆を励まし、賑わしてな、元気に出してやってくれ、叔父どのを」
「畏まりました。……そして、あなたさまには」
「わしか。わしへも、お召集が来ておろうと思う。ひと足先に、急いで戻る」
「桐畑のお邸のほうへ」
「いいや、聟入りと共に、わしの鎧櫃も、お許の部屋に納められてある。鎧櫃のすえてある所がいつでも帰り場所じゃ。……では、後から来い」
藤吉郎は云い残すと、もう足軽町の裏から駈け出していた。
今朝までは何の気はいもなかったし、因幡守と会った時も、至極無事な容子であったのに、いったい何処へ出陣するのか。
藤吉郎にも、常の勘が働かなかった。いつも合戦といえば、どの方面へと、たいがい彼の直感は的中していたが、やはりここ数日は花聟の頭は幾分時局から遠のいていたものとみえる。
物の具ひっ担いで、侍屋敷の横から駈けて出て来るのに、何人かぶつかった。凡ならぬ迅さで五騎、七騎、お城のほうから駈けて来るのにも出会う。