Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.406 Zeichen · 381 Bildschirme
兵馬を練り、食糧を蓄え、この夏の暴風雨で、城壁の石垣や塀が大破すると、すぐ命じて、修繕にかからせた。
二百十日、二十日前後の暴風雨は、毎年のものだった。しかし、尾張を繞って、より以上不気味なそよ風は、べつに吹いていた。西は美濃から、南は三河の松平から。そして東は、駿河の今川義元あたりの動きから――諜報は明け暮れ清洲の孤立化を告げていた。
この頃の暴風雨で、外曲輪の城壁が、百間以上も崩れ落ちた。
その工事で、大工、左官、土工、石工などが、大勢、城内へはいっていた。
唐橋から材木や石を曳き込んだり、所々に工事材料を積んでおいたりするので、城内の通路も濠ばたも、混雑を極めていた。
「足の踏み場もない」
「早く出来上らぬと、そのうちまた、暴風雨が来ると、今度は石垣が危ないぞ」
毎日、そこを通る者は、不便を喞ったが、工事縄張の立札には、
御修築地内
無断不可入
奉行 山淵右近
と見え、工事奉行以下の部下は皆、準戦時体制の服装や職権の下に、物々しく働いているので、誰もそこを通るには、通さしてもらうような気兼をもって、いちいち挨拶して行った。
工事は、二十日近くにもなっているが、まだ少しも捗っていなかった。