Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.406 Zeichen · 381 Bildschirme
憂いをこめていった。
ふと。彼の声に、職人たちも、しんみりした。
藤吉郎は、嗟嘆するもののように、宵の星を仰いで、
「興る国――亡びる国――おまえらもずいぶん見て来ただろう。国の亡びた民の惨めさも知ってるだろう。――どうも是非のないものだ。われわれ侍の端くれも、重臣も、御主君はもとより、夢寐の間も、一尺の国土たりと、守り防ぎは忘れぬが……国の興亡は、実はお城にあるわけじゃないからな。――では、どこにあるかといえばお前らの中にあるのだ。領民が石垣だ、塀だ、濠だ。――おまえらはこのお城普請に働いて、他家の壁を塗っていると心得ておるか知らんが、そいつは大間違いだ。おまえら自身の守りを築いているのだ。もし、このお城が、一朝にして、灰になったらどうだ。お城だけが、そうなってすむわけはないぞ。御城下は、兵火につつまれる。領内一円は、敵兵の蹂躪に委せてしまう。……阿鼻叫喚だ……。親にはぐれて泣く子、子をさがしてよろぼう老人。悲鳴をあげて逃げまどう若い娘。誰にも顧みられずに巷で焼け死ぬ病人。――ああ、国が亡んだらもう終りだ。おまえらにも、親もあろう子もあろう、妻もあろう病人もあろう。