Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.256 Zeichen · 361 Bildschirme
「女々しい言い訳を」
「でも。――多くの身内を抱えている一族の頭目が、ひとの告げ口などに惑わされて、よく吟味もせずに」
吠えたけるのを、小六は、耳に嫌いながら、手についている鉄砲を、肱へ上げて云った。
「こやつ。国吉の鍛ったこの鉄砲の試しには、ちょうどよい生き物だ。彼方の墻のそばへ引き立て、木に縛って立たせておけ」
新七と内匠は、天蔵の背を突いたり、襟がみを持ったりして、庭の果てまで連れて行った。弓矢では、よほどな射手でもないと、矢の届かない程な距離であったが、
「叔父御ッ。いうことがあるッ。もう一言、いわしてくれーッ」
と、そこから死にもの狂いでどなる天蔵の声は、よく聞えて来た。
「…………」
が、小六は耳もかさない。
大炊助が持って来た火縄を取ると、弾ごめして、直ぐそう叫び狂っている甥の姿を狙い澄しているのだった。
「わ、悪かった。叔父御ーッ。白状するッ。もういちど天蔵のいうことを聞いてくれい。いうことがあるッ」
的に立たせられて喚いている者の声をよそに、四人は、小六の鉄砲の手元を、しいんとして、唾をのみながら見まもっていた。
刻。一刻……
彼方に狂っている天蔵の声はかすれてしまう。