Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.256 Zeichen · 361 Bildschirme

Aozora Bunko

と、躍起になり、

「小癪な鹿毛」

と、競って行った。

五郎左という若侍は老臣の平手中務の子で、城内では鉄砲頭を勤め、優れた士のひとりだった。

先代信秀が、信長のために、傅役としておいた老臣の平手中務には、三人の男子があった。惣領が五郎左衛門、次男が監物、三男を甚左衛門といった。

信長の気性が、その時、無意識に駆りたてられていた。

追い抜かれる――

ひとに遅れをとる――

後塵を浴びる――

おくびにも、そういったことは、そのままではゆるされない彼の気性だった。

びゅッ、びゅッ。ふた鞭ほど、彼は、烈しい鞭を自分の駒の卯月に加えた。

もう老いかけてはいても、卯月も名馬である。

大地は、蹄に鳴り、卯月の蹄が、大地を蹴るのが見えないほど、迅い脚で駈け出した。

卯月の銀毛のような尾が、真ッ直ぐに風を曳いて、五郎左衛門の鹿毛のそばを、勢いよく駈け抜けて、前へ出たので、五郎左は、

「殿、殿、お馬の蹄が割れますぞ」

と、注意した。

すると信長は、

「五郎左、もう続けぬのか」

と、すこし揶揄していった。

五郎左もまだ二十四、五の若気であり、主人に上手のいえない士だった。心外な、という顔して、