Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.256 Zeichen · 361 Bildschirme
その点で共鳴している林佐渡が、那古屋の城代になると、権六勝家は足しげく、那古屋へ往来した。そしていつか其処は、陰謀の苗床となっていた。
「よいのう、雨夜は」
「かえって、茶には、一しおの趣を添えて」
茶によせて、佐渡と権六は、城内の庭木に蔽われた狭い一室にさし対っていた。
梅雨すぎだったが、まだはっきりしない夕空から、雨がこぼれ、青梅の実が、たまたま、ぽとッと地に落ちた。
「あすは霽りましょう」
梅若葉の下から、佐渡の弟の美作守が独り語のようにいった。燈籠へ灯を入れに出たのである。
「…………」
灯を入れた後もしばらく、美作はそこに佇んで、四辺を見廻していた。
やがて、離れへ戻って来ると、声を低めて、
「異状はございませぬ。家来どもも遠ざけてござりますゆえ、お心おきなく」
と、兄と権六へささやいた。
権六勝家はうなずいて、
「では、早速、本題にかかろうか。――実はきのう密かに、末盛城へ伺って、親しゅう御母公様にもお目にかかり、勘十郎信行様とも、談合して参った。……で後は、其許の心ひとつときまったが」
「御母公には、何と仰せられてか」
「それはもう、異議のう御同意じゃ。