Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.256 Zeichen · 361 Bildschirme
彼自身も、気がついていることであるが――とかく機嫌がよい時は調子づいて、そう必要もないことをも、また、確と肚にもないことでも、得意にまかせて、喋舌ったりする傾向がある。
口から出てしまった後で、
(こいつ、いい程なことをいう)
と、自分で誡めたりすることもあるが、決して、悪い肚があったり、軽薄でいうのではないから、自分では、さしたることとも思っていない。
しかし、専ら、
(猿めは、法螺をふく)
という一部の評も、その辺に原因していた。
そして、彼自身でもまた、
(そうだ。おれは、法螺ふきでないこともないな)
と、認めていた。
だが、そのために、彼の全部を誤認してしまったり、また、毛嫌いしたりした小心な潔癖家は、遂に、彼の大きな生涯の同伴者にはなれない人々だった。
――それからしばらくすると、彼の姿は、清洲の町の、繁華な中心地に見出された。
家具なども買ったらしい。
また古着店の前で、ふと立ち止まったら、偶然、桐の紋のついた陣羽織があったので、値を訊いてみた。
「安い」
彼はすぐ買って、すぐそこで着てみた。――すこし長いがみッともない程ではあるまいと、着て歩いた。