Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.256 Zeichen · 361 Bildschirme
と何度も云って、
「話があるから聞け!」
と、於福の驚いた顔を、大きな眼をして睨みつけた。
「こら、何するんだ」
「なにが何だ」
「主人に向って、お前は――」
と於福は、青ざめて、顫きながら、
「わ、わしは、主人だぞ」
「だからいつも、従順にしてるが、きょうはいってやるぞ。やいッ」
「…………」
「やい於福。てめえは、以前のことを忘れたか。おらとお前とは、友達だったろ」
「そんなことは、前のことだ」
「前のことは、何でも、忘れていいものか。唐人子、唐人子って、皆からてめえが虐められていた頃に、誰がいつも、庇ってやったか、覚えてるだろう」
「覚えてるさ」
「覚えてたら、その時の恩も少しは考えろッ」
小さい日吉は、ずっと自分より大きな於福を、こう睨めすえて、どっちが年上だか分らないように威張った。
「ほかの雇人でも、みんな云ってるぞ。大旦那はいいけれど、若旦那の於福は、生意気で、人情なしで思い遣りがないって」
「…………」
「てめえみたいな、御苦労なしの坊ンちこそ、貧乏して、困ってみて、他人の家の飯をちっと喰べてみるといいんだ」
「…………」
「この先も、奉公人いじめをしたり、あんまりおらに辛くあたると、どうしてくれるか知れないぞ。