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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.256 Zeichen · 361 Bildschirme

Aozora Bunko

ただ、正月なので、広い台所の板敷の隅っこで、ほかの下男たちと共に、水ッ洟をすすりながら、粟の雑煮餅を、めずらしく喰べただけだった。

それでも彼は心の裡で、

「おっ母や、おつみは、このお正月、餅を喰べているかしら?」

と、ふと思いやった。

粟を作る百姓でいながら、餅もなく送った正月を、何度も覚えているからである。

彼が、そんなことを思い出しているうち、他の下男たちは、

「今夜はまた、旦那さまの客呼びで、おらたちまで、お末に畏って、長談義を聞かねばならぬ晩だぞ」

「嫌だのう。せっかくのお正月を」

「腹いたでも起して、寝ているとするか」

などと、何かこぼし合っていた。

年に二度か、三度。

初春とか、えびす講とか、何ぞの折というと、茶わん屋捨次郎はよく客を呼んだ。

瀬戸の職人たちだの、那古屋や清洲のとくい先の家族だの、武家だの、親類先のまた知りあいの者だのと――ずいぶんな客が夕方からぞろぞろ集まった。

「ようこそ。……ようお越し」

捨次郎はその日、とりわけ機嫌よく、そして腰ひくく、自身で接待したり、日頃の疎遠など詫びあうのである。

彼の美しい妻女はまた、茶席をもうけて、珍らしい器や、心入れの花など挿し、