Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.256 Zeichen · 361 Bildschirme

Aozora Bunko

日吉は、理を話そうと思ったが、何だか面倒くさくなって、

「叔母さん。……叔父さんはいるの。いたら、会わしてくんない。おねがいがあるんだから」

と、甘えた調子でいった。

とんでもない――良人はそれどころか、小豆坂の戦で深傷を負って、きょうかあすかを案じている重態。おまえなどに会っていられるものではない。

若い叔母は、つけつけと、

「ほんとに、おまえみたいな辛抱なしの子を持って、中村の姉さんも、かわいそうだね」

と、沁々という。そう聞くと日吉は悄気て、

「じゃあ、叔父さんに、お願いしてみようと思ったけど、だめだろうなあ」

「何をだえ」

「叔父さんは侍だから、こんどは何処か、侍屋敷へ奉公に、入れてもらおうと思って」

「いったい、おまえは今年、幾つになったんですか」

「十六さ」

「十六にもなったら、少しは世間が分りそうなもの」

「だからもう、つまらない家には奉公しないんだ。叔母さん、どこか口がないだろうか」

「いい加減におし」

と、野放図もないと、たしなめるように、おえつは、女の眼で睨めて、

「侍屋敷では、侍の家風に合う者でなければ、使いはしません。おまえみたいな野育ちの暢気者を何処で――」