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Japanische Klassiker mit Furigana

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うんめい

日本の文学 3 五重塔・運命

幸田 露伴

Lesen Sie 日本の文学 3 五重塔・運命 (うんめい) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 100.648 Zeichen · 198 Bildschirme

Aozora Bunko

第四 如是因

上 忘られぬのが根本の情

者には爪はじきせらるゝをもかまわず遂に須原の長者の家敷も、空しく庭中の石燈籠に美しき苔を添えて人手に渡し、長屋門のうしろに大木の樅の梢吹く風の音ばかり、今の耳にも替らずして、直其傍なる荒屋に住いぬるが、さても下駄の歯と人の気風は一度ゆがみて一代なおらぬもの、何一トつ満足なる者なき中にも盃のみ欠かけず、柴木へし折って箸にしながら象牙の骰子に誇るこそ愚なれ。かゝる叔父を持つ身の当惑、御嶽の雪の肌清らかに、石楠の花の顔気高く生れ付てもお辰を嫁にせんという者、七蔵と云う名を聞ては山抜け雪流より恐ろしくおぞ毛ふるって思い止れば、二十を越して痛ましや生娘、昼は賃仕事に肩の張るを休むる間なく、夜は宿中の旅籠屋廻りて、元は穢多かも知れぬ客達にまで嬲られながらの花漬売、帰途は一日の苦労の塊り銅貨幾箇を酒に易えて、御淋しゅう御座りましたろう、御不自由で御座りましたろうと機嫌取りどり笑顔してまめやかに仕うるにさえ時々は無理難題、先度も上田の娼妓になれと云い掛しよし。さりとては胴慾な男め、生餌食う鷹さえ暖め鳥は許す者を。

第四 如是因

上 忘られぬのが根本の情