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Japanische Klassiker mit Furigana

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ともぐい

日本プロレタリア文学集・20 「戦旗」「ナップ」作家集7

本庄 陸男

Lesen Sie 日本プロレタリア文学集・20 「戦旗」「ナップ」作家集7 (ともぐい) von 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.052 Zeichen · 11 Bildschirme

Aozora Bunko

離れんとお呉れ――」

腰から下は雪に埋まった男も、その声のする度びに立ち竦む。彼はじっと首を立てて方角を見失うまいとする。心を振り立てて「もうじぎじゃぞお――」と女房を励ました。雪の原野を歩くのは長い時間を費した。やっと辿り着いたと安心した時は、正真正銘この畑に埋められて居る筈の馬鈴薯は、他人の所有物だと考え出した。夜更け、吹雪にまぎれて他家の薯を掘ろうとするのは、全く切端つまったからだ。目印しに立っている棒に捉まって、よろよろしている女房に力づけた。

「この下じゃぞ。」

負子を外した男は、自分でスコップを持ち、女には鍬を握らせた。雪は下になるほど固く凍って居た。しかも上からは休みなく降り、風は平原の涯からうなりを立てて吹きつけ、吹き溜めて居た。掘る片っぱしから埋もれて行く。疲れ切った二人は、只、薯があることだけに必死の力を搾り出していた。

「つ、土が出たぞッ!」と男が穴の中で叫んだ。女は鍬を穴の底に打ち込んだ。バサリと燕麦の稈がひっかかった。もう一鍬打ち込んで、彼女は湿った土に坐り込み、両手で矢鱈に掻きまわした。声を低くした男は蹲みかかって

「あるか?」