Japanische Klassiker mit Furigana
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ともぐい
日本プロレタリア文学集・20 「戦旗」「ナップ」作家集7
本庄 陸男
Lesen Sie 日本プロレタリア文学集・20 「戦旗」「ナップ」作家集7 (ともぐい) von 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.052 Zeichen · 11 Bildschirme
「何あに、塩をぶっかけて味をつけてありますよ。十時間ぶっ通しの一日八十銭じゃあ、嬶も子供も碌に飯はねえ……」憲兵等は反り身になり胡散気に睨んだ。後にいた女工が彼の尻をつついた。で彼は一層生真面目に「満州出征の兵士を考えれば全く有難いことですよ。塩をなめたって僕等あ一生懸命働きますからねえ……」
あとからあとから常傭、臨時が集まって来、予定にはいっていないこの時間潰しでタイムレコーダーの前は混雑した。だから彼等はせかせかしながら、それでも突飛もない嫌がらせを云ってのけたこの男の背中をポンと親し気にたたいて職場職場に駈けつけた。それが岩佐伍市だった。
次の日から、朝は定刻の七時に間に合うためには、今までよりも三十分は早目に出かけねばならない。何故なら憲兵は不穏分子の侵入を防ぐために必ず身体検査をするからだ。入口で時間が潰れる。するとタイムレコーダーは情容赦もなく遅刻の印しに赤い数字でがちゃりと捺す――そしてそれが差詰め勘定日の金高にビンビンと響いて来る。
「……とんでもないことになったもんだ」と野田は背の高い岩佐に聞えるように呟いた。臨時工達は食事を取る設備をもっていない。