Japanische Klassiker mit Furigana
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はんぎゃく
日本プロレタリア文学集・23 婦人作家集(三)
矢田 津世子
Lesen Sie 日本プロレタリア文学集・23 婦人作家集(三) (はんぎゃく) von 矢田 津世子 (やだつせこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.512 Zeichen · 34 Bildschirme
失敗したわ。それから、あの例の本ね、調査の北沢さんに貸してあった。あれを何時だったか北沢さんが洗面所へ置き忘れたのよ。生憎私のサインが入っていたらしいの。今度のは、みんな私の不注意からなのよ。ばかばかしい、ったらないわ。」
「それだけなの、ここでの結果に就てじゃないの?」
「大丈夫よ。やられたのは私一人。」
「よかったわね。ほんと?」
「疑うの? 安心していいのよ。でも、私が出ちゃったら却って外部での運動が自由でやりいいわ。こうなるのが本望だったわね、あのゴリラの奴ったら、私を罠へかけるつもりで、その実、奴自身が罠に引っかかってるのよ。醜態だわ。……でもね、これからが危険期でしょ。だからあんたの出来る限りのカモフラージュはね。」
「うん、それァね。けど、切られたあんたの首のやり場に、私苦労してるわ。」
「その心配ならいいの。私、京橋に勤口見付けてあるわ。」
「愕いた。早いひと!」
「予感がしてたのね。一週間ばかり前から。知ってるでしょう、あの有名なボロ保険のHよ。三十七円くれるって。」
「あんたの根は其処で延びるわけね。波間の海草みたいに、始終動揺してるこの事務員階級をまとめていくって、わりと骨仕事ね、だけど、此処で三十人近く集めたのは大きい事だわ。