Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はんぎゃく
日本プロレタリア文学集・23 婦人作家集(三)
矢田 津世子
Lesen Sie 日本プロレタリア文学集・23 婦人作家集(三) (はんぎゃく) von 矢田 津世子 (やだつせこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.512 Zeichen · 34 Bildschirme
2
まことに当節は不景気でございますからね」
「いくら食うに困るからって、少しはこっちの手前も考えてくれるといいんだよ。あれじゃ信者達に対してみっともないねえ……」
牧師は、先刻の皺を、再び眉間へ深く刻んだ。
2
十三年前だった。
その当時、夫に死別したお松は、三人の子供を抱えて生活の最低下線上に立っていた。食わない日が幾日も続いた。夜になると、死が誘惑の手を拡げてお松親子を迎いにやってきた。死ぬ機会を見付ける事だけが問題だった。或真夜中、お松は子供達の手を曳いて、宛どもなく街を彷徨った。気力の脱け切った子猫のように、子供達は眼だけ光らせて従順しく歩いていた。太い丈夫そうな松の木が逞しい腕を延ばしていた。併し其処迄行くには高い崖があった。レールが白く光っていた。だが汽車は仲々やってこなかった。河淵へ出た。温かい風が吹いていた。青い月の光りが、足元の水を深く見せていた。お松はやっと微笑した。その場所に辿りついた事を悦んだ。彼女の手は無意識に長男を突きとばしていた。
次に二人の子供を両側に抱えて、彼女自身が飛び込んだ。呼ばれて、眼を開いて、お松は、白い敷布の上にのびのびと寝ていた自分に気が付いた。