Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme
尤も老爺さんの妻の父親が、上野輪王寺の宮に何か教えていた××安芸守という旗本で、法親王が白河へお落ちになってから建白書のようなものを書いて死んだ人であり、身寄りにも上野の彰義隊で死んだ若ものもあったから、算盤をはじく武士より直参武士になれと進められたのかも知れない。とはいえ新御直参一家は、五月十六日朝の官軍上野攻めで狼狽てた。いよいよ敗軍ときくと逃出す騒ぎで、什器を池のなかに投込んだり――上野山下の商家では店の穴蔵へ入れたという――井戸へ入れておいたりして逃出した。老爺さんの二女――総領娘はある大名邸に御殿奉公をしていた――私の母は九歳だったが、男髷にしていたので小刀を差して連れられて逃げた。吉原の土手下で夜を明した時、どこのものかが名物の土手の金つばをくれたが、その大きさとうまさを何時までも忘れなかったと言った。そうしてこの新御直参一家はみずから没落し、徳川十六代亀之助様のお供、静岡蟄居というはめにおちた。
品川から出た二艘の幕府の汽船に押し積まれて静岡へまでもつれてゆかれる幾百戸かの家族、それは徳川にしても厄介ものだったに違いない、ついてゆかねばならぬというものの中には、こうした一家もあったのだ。