Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんちゅう
春昼・春昼後刻
泉 鏡花
Lesen Sie 春昼・春昼後刻 (しゅんちゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.079 Zeichen · 102 Bildschirme
」
「飛んだ話じゃありませんか、それはまたどうした事ですか。」
と、こなたは何時か、もう御堂の畳に、にじり上っていた。よしありげな物語を聞くのに、懐が窮屈だったから、懐中に押込んであった、鳥打帽を引出して、傍に差置いた。
松風が音に立った。が、春の日なれば人よりも軽く、そよそよと空を吹くのである。
出家は仏前の燈明をちょっと見て、
「さればでござって。……
実は先刻お話申した、ふとした御縁で、御堂のこの下の仮庵室へお宿をいたしました、その御仁なのでありますが。
その貴下、うたゝ寝の歌を、其処へ書きました、婦人のために……まあ、言って見ますれば恋煩い、いや、こがれ死をなすったと申すものでございます。早い話が、」
「まあ、今時、どんな、男です。」
「丁ど貴下のような方で、」
呀? 茶釜でなく、這般文福和尚、渋茶にあらぬ振舞の三十棒、思わず後に瞠若として、……唯苦笑するある而已……
「これは、飛んだ処へ引合いに出しました、」
と言って打笑い、
「おっしゃる事と申し、やはりこういう事からお知己になったと申し、うっかり、これは、」
「否、結構ですとも。恋で死ぬ、本望です。