Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんちゅう
春昼・春昼後刻
泉 鏡花
Lesen Sie 春昼・春昼後刻 (しゅんちゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.079 Zeichen · 102 Bildschirme
やはりそのものの手から、ずうと糸が繋がっていたものらしい。舞台の左右、山の腹へ斜めにかかった、一幅の白い靄が同じく幕でございました。むらむらと両方から舞台際へ引寄せられると、煙が渦くように畳まれたと言います。
不細工ながら、窓のように、箱のように、黒い横穴が小さく一ツずつ三十五十と一側並べに仕切ってあって、その中に、ずらりと婦人が並んでいました。
坐ったのもあり、立ったのもあり、片膝立てたじだらくな姿もある。緋の長襦袢ばかりのもある。頬のあたりに血のたれているのもある。縛られているのもある、一目見たが、それだけで、遠くの方は、小さくなって、幽になって、唯顔ばかり谷間に白百合の咲いたよう。
慄然として、遁げもならない処へ、またコンコンと拍子木が鳴る。
すると貴下、谷の方へ続いた、その何番目かの仕切の中から、ふらりと外へ出て、一人、小さな婦人の姿が、音もなく歩行いて来て、やがてその舞台へ上ったでございますが、其処へ来ると、並の大きさの、しかも、すらりとした脊丈になって、しょんぼりした肩の処へ、こう、頤をつけて、熟と客人の方を見向いた、その美しさ!
正しく玉脇の御新姐で。