Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんちゅう
春昼・春昼後刻
泉 鏡花
Lesen Sie 春昼・春昼後刻 (しゅんちゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.079 Zeichen · 102 Bildschirme
貴下のお姿を見て、それから心持が悪くなりましたって、言通りの事が、もし真個なら、どうして口へ出して言えますもんですか。貴下のお姿を見て、それから心持が悪く……」
再び口の裏で繰返して見て、
「おほほ、まあ、大概お察し遊ばして下さいましなね。」
と楽にさし寄って、袖を土手へ敷いて凭れるようにして並べた。春の草は、その肩あたりを翠に仕切って、二人の裾は、足許なる麦畠に臨んだのである。
「そういうつもりで申上げたんでござんせんことは、よく分ってますじゃありませんか。」
「はい、」
「ね、貴下、」
「はい、」
と無意味に合点して頷くと、まだ心が済まぬらしく、
「言とがめをなすってさ、真個にお人が悪いよ。」
と異に搦む。
聊か弁ぜざるべからず、と横に見向いて、
「人の悪いのは貴女でしょう。私は何も言とがめなんぞした覚えはない。心持が悪いとおっしゃるからおっしゃる通りに伺いました。」
「そして、腹をお立てなすったんですもの。」
「否、恐縮をしたまでです。」
「そこは貴下、お察し遊ばして下さる処じゃありませんか。
言の綾もございますわ。朝顔の葉を御覧なさいまし、表はあんなに薄っぺらなもんですが、裏はふっくりしておりますもの……裏を聞いて下さいよ。