Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅんちゅう 

春昼・春昼後刻

泉 鏡花

Lesen Sie 春昼・春昼後刻 (しゅんちゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.079 Zeichen · 102 Bildschirme

Aozora Bunko

緑の野が砂原のようで、前生の事のようで、目の前の事のようで、心の内が言いたくッて、言われなくッて、焦ッたくって、口惜くッて、いらいらして、じりじりして、そのくせぼッとして、うっとり地の底へ引込まれると申しますより、空へ抱き上げられる塩梅の、何んとも言えない心持がして、それで寝ましたんですが、貴下、」

小雨が晴れて日の照るよう、忽ち麗なおももちして、

「こう申してもやっぱりお気に障りますか。貴下のお姿を見て、心持が悪くなったと言いましたのを、まだ許しちゃ下さいませんか、おや、貴下どうなさいましたの。」

身動ぎもせず聞き澄んだ散策子の茫然とした目の前へ、紅白粉の烈しい流が眩い日の光で渦いて、くるくると廻っていた。

「何んだか、私も変な心持になりました、ああ、」

と掌で目を払って、

「で、そこでお休みになって、」

「はあ、」

「夢でも御覧になりましたか。」

思わず口へ出したが、言い直した、余り唐突と心付いて、

「そういうお心持でうたた寐でもしましたら、どんな夢を見るでしょうな。」

「やっぱり、貴下のお姿を見ますわ。」

「ええ、」

「此処にこうやっておりますような。ほほほほ。