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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(三)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme

Aozora Bunko

男はやはり小声で紋七と何か応対して、袱紗につつんだ目録包みらしいものを渡すと、紋七はしきりに辞儀をして、かれを奥へ連れて行った。

「親分」

袂をひかれて半七はふり返ると、兎欠脣の定吉がうしろに立っていた。

「今来た男、あれがどうも十露盤絞りらしゅうござんすよ。顔にどこか見覚えがあります」

「そうか」

半七はすぐに紋七をよび出して訊くと、いま来た男はかの根岸の叔母の使で、紋作の香奠として金五両をとどけて来たのだと云った。紋七が彼に逢うのはきょうが初めてであるが、これまでにも叔母の使で時々にここへ来たことがあるらしいとの事であった。

「あの男も見送りに行くのかえ」

「いや、ここで御焼香だけして帰ると云うていました」

云ううちにかの男は出て来た。彼はあたりの人に気を置くようにきょろきょろと見廻しながら、紋七やお浜親子に挨拶して怱々に出て行った。半七はすぐに子分を呼んだ。

「やい、庄太。あの男のあとをつけろ」

葬式の出る頃に霰はやんだ。紋作の寺は小梅の奥で、半七も会葬者と一緒にそこまで送ってゆくと、寺の門内には笠を深くした一人の若い侍が忍びやかにたたずんでいて、この葬列の到着するのを待ち受けているらしかった。