Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme
「先生」と、外の人は小声で呼んだ。「もうおやすみでござりますか」
それが伝兵衛であると知って、澹山はすぐに答えた。
「いや、まだ起きて居ります。御主人ですか」
「はい。では、ごめんください」
勝手を知っている伝兵衛は暗いなかへはいって来ると、澹山は起き直って行燈の火をともした。
「夜ふけにお邪魔をいたしまして相済みませんが、荒木様の御子息様からおあつらえの掛物はまだお出来に相成りませんか」と、伝兵衛は坐り直して訊いた。
申し訳のない延引と澹山があやまるように云うのを聴きながら、伝兵衛は少し考えていたらしいが、やがてやはり小声で云い出した。
「就きましては先生、一方の御仕事のまだ出来あがらないうちに、こんなことをお願い申すのは甚だ心苦しいようではござりますが、実は別に大急ぎで願いたいものがござりまして……」
「ははあ。それはどんなお仕事で……」
「御承知くださりますか」
「承知いたしましょう。わたくしで出来そうなことならば……」と、澹山は快く答えた。
「ありがとうござります」と、伝兵衛も満足したらしくうなずいた、「では、恐れ入りますが、これからわたくしと一緒にそこまでお出でくださりませんか。