Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme
網を出ると、彼はすぐにあぐらをかいた。
「なにか食い物はないか。腹が減った」
隠居も千八もおどろいていると、男はそこにある魚籠に手を入れて、生きた小魚をつかみ出してむしゃむしゃと食った。二人はいよいよ驚かされた。
「まだ何かあるだろう。酒はねえか」と、彼はまた云った。「ぐずぐずしていやあがると、これだぞ」
かれは腹巻からでも探り出したらしい、いきなりに匕首を引きぬいて二人の眼さきに突きつけたので、船頭は又びっくりした。しかし一方は武家の隠居である。すぐにその刃物をたたきおとして再び彼を水のなかへ投げ込んでしまった。
「はは、悪い河獺だ」と、隠居は笑っていた。
しかし、それが河獺でないことは判り切っていた。千八はただ黙っていると、隠居はこれに興をさましたらしく、今夜はもうこれで帰ろうと云った。船頭はすなおに漕いで帰った。
この報告を終って、幸次郎は半七の顔色をうかがった。
「どうです。変な話じゃありませんか」
三
半七は黙ってその報告を聞いていたが、やがて思い出したようにうなずいた。
「むむ、そんな話が去年もあったな。おめえは知らねえか」
「知りませんね」