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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(三)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme

Aozora Bunko

に描かれた世界と多く変らなかった。柾木の生垣を取りまわした人家がまばらにつづいて、そこらの田や池では雨をよぶような蛙の声がそうぞうしく聞えた。日和下駄の歯を吸い込まれるような泥濘を一と足ぬきにたどりながら、半七は清次に教えられた瓦屋のまえまで行きついた。

となりと云っても、そのあいだにかなりの空地があって、そこには古い井戸がみえた。井戸のそばには大きい紫陽花が咲いていた。半七はその井戸をちょっと覗いて、それから生垣越しに隣りをうかがうと、おとわという女の家はさのみ広くもないらしいが、なるほど清次の云った通り、ここらとしては小綺麗に出来ているらしい造作で、そこの庭にも紫陽花がしげっていた。

「しようがないねえ。また庭の先へ骨をほうり出して置いて……。お千代や。掃溜めへ持って行って捨てて来ておくれよ」

縁先で女の声がきこえたかと思うと、女中らしい若い女が箒と芥取りを持って庭へ出て来て、魚の骨らしいものをかき集めているらしかった。犬か猫が食いちらしたのかと思ったが、半七は別に思いあたることがあるので、ぬき足をして裏口へまわってゆくと、女中はその骨のようなものを掃溜めへなげ込んで、すぐに台所へはいった。