Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme
半七も坐っていた。みじかい冬の日がもう暮れかかる頃になって、其月の弟子たちがだんだんに寄って来たが、かれらは不慮の出来事におどろき呆れているばかりで、どの人の口からも何かの手がかりになるような新らしい材料をあたえてくれなかった。あかりの点く頃に半七はそこを出て、町内の自身番へゆくと、道具屋の惣八は飛んだ係り合いで、まだそこに留められているので、番屋の炉のそばに寒そうに竦んでいた。
「道具屋さん。お気の毒だね。節季師走のいそがしい最中に、いつまでも留められていちゃあ困るだろう。もういい加減に帰っちゃあどうだね」
「帰ってもよろしゅうございましょうか」と、惣八は生きかえったように云った。
「どうで直ぐには埓があきそうもねえから、用があったら又よび出すとして、今夜はいったん帰ったらよかろう」
「ありがとうございます。お呼び出しがあればきっと直ぐにまいります」と、惣八はあわてて帰り支度にかかった。
「だが、ちょいと待ってくんねえ」と、半七は声をかけた。「すこし訊きてえことがある。こっちでも手を入れて調べさせてはあるが、あのお葉という女中、あれは唯の奉公人じゃあるめえ、主人と係り合いがあるんだろうね」