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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(三)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme

Aozora Bunko

年のわりには大柄で、容貌も醜くない。もちろん当人もせいぜい注意しているのであろうが、その風俗にも詞づかいにも余り田舎者らしいところは見えなかった。

お鉄はしとやかに障子をしめて縁側に出ると、小さい庭の四つ目垣の裾には、ふた株ばかりの葉鶏頭が明るい日の下にうす紅くそよいでいた。故郷の秋を思い出したのか、それともほかに物思いの種があるのか、かれは其の秋らしい葉の色をじっと眺めながら、やがて低い溜息を洩らした。

二

「おい、姐さん。お前、そこで何をしているんだ」

両国橋の上には今夜の霜がもう置いたらしく、長い橋板も欄干も暗いなかに薄白く光っていた。その霜の光りと水あかりとに透かして視ながら、ひとりの男が若い女に声をかけた。男は神田の半七で、本所のある無尽講へよんどころなしに顔を出して帰る途中であった。

「ねえ、姐さん。今時分そんなところにうろ付いていると、夜鷹か引っ張りと間違えられる。この寒いのにぼんやりしていねえで、早く家へ帰って温まった方がいいぜ。悪いことは云わねえ。早く帰んなせえ」

「はい」

低い声で返事をしながら、若い女はまだ欄干を離れようともしないので、半七はつかつかと立ち寄って女の肩に手をかけた。