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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(三)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme

Aozora Bunko

その隣り町に菊一という小間物屋があって、麹町の大通りの菊一と共に、下町では有名な老舗として知られていた。半七は顔を識っている番頭をよび出して、この三日の日に南京玉を買いに来た田舎の人はなかったかと訊いた。

繁昌の店であるから朝から晩まで客の絶え間はない。したがって南京玉を売ったぐらいのお客を一々記憶していることは困難であったが、幸いに当日が正月早々であるのと、かの大雪が降りつづいたのとで、殆ど商売は休み同様であったために、菊一の番頭はその日に買物に来たたった三人の客をよく記憶していた。その二人は近所の娘で、他のひとりは馬喰町の信濃屋という宿屋に泊まっている客であったと彼は説明した。

「名は知りませんが、去年の暮にも一度来て、村の土産にするのだと云って油や元結なぞを買って行ったことがあります。三日の朝にも雪の降るのにやって来て、どうしてもあしたは発たなければならないから、近所の子供たちの土産にするのだと云って、南京玉を二百文買って行きました」

その田舎の人の人相や年頃や服装などをくわしく聞きただして、半七は更に信濃屋に足をむけた。信濃屋の番頭は宿帳をしらべて、その客は上州太田の在の百姓甚右衛門四十二歳で、去年の暮の二十四日から逗留していた。