Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme
「しばらくお待ちくださいまし。わたくしは町方の者でございます。唯今のは試し斬りでございますか、それとも何か仔細がございますか」
たといそれが武士であろうとも、みだりに試し斬りなどをすれば立派な罪人である。次第によっては、かれも切腹の罪科は免かれない。相手を斬ってうまく逃げおおせればいいが、それが町方の眼にとまったりすると、甚だ面倒になる。飛んだところを見つけられて、武士はひどく迷惑したらしく、しばらく口籠って躊躇していると、まえの駕籠からも一人の武士が出て来た。どちらも若い武士であったが、新らしく出て来た一人は幾らか場慣れているらしく、半七にむかって我々は決して試し斬りではないと弁解した。しかし、その仔細を云うわけには行かない。屋敷の名を明かすわけにも行かない。どうかこのまま見逃がしてくれと彼はしきりに頼んだが、半七は素直に承知しなかった。一旦自分の眼にとまった以上、見す見す人殺しを見逃がすことは出来ないと云い張った。それは勿論正当の理窟であったが、もう一つには折角ここまで追いつめて来た大事の捕り物を、横合から不意に出て来て玉無しにされてしまったという業腹がまじって、半七は飽くまでも意地悪くこの武士を窘めにかかった。