Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme
……そこの店で二枚目を張っているお駒という女が変死した。それがこのお話の発端です」
お駒はことし二十二の勤め盛りで、眼鼻立ちは先ず普通であったが、ほっそりとした痩形の、いかにも姿のいい女で、この伊勢屋では売れっ妓のひとりに数えられていた。かれが売れっ妓となったのは姿がいいばかりでなく、品川の河童天王のお祭りに自分の名を染めぬいた手拭を配ったばかりでなく、ほかにもっと大きい原因があって、宿場女郎とはいいながら、品川のお駒の名は江戸じゅうに聞えていたのであった。
彼女がそれほど高名になったのは、あたかも一場の芝居のような事件が原因をなしているのであった。万延元年の十月、きょうは池上の会式というので、八丁堀同心室積藤四郎がふたりの手先を連れて、早朝から本門寺界隈を検分に出た。やがてもう五ツ(午前八時)に近いころに、高輪の海辺へさしかかると、葭簀張りの茶店に腰をかけて、麻裏草履を草鞋に穿きかえている年頃二十七八の小粋な男があった。藤四郎はそれにふと眼をつけると、すぐ手先どもに頤で知らせた。
藤四郎の眼にとまった彼の男は、石原の松蔵という家尻切りのお尋ね者であった。