Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
で、根が猟師ですから鉄砲を打つことも知っている。槍を使うことも知っているので、そこらの藪から槍を伐り出して来て、くらやみで無闇に往来の人間を突いてあるいたんです。まったく猪や猿を突く料簡で、相手嫌わずに突きまくったんだから堪まりません。考えてもぞっとします。そうして、いい加減に江戸じゅうをあらし歩いたのと、さすがに故郷が恋しくなったのとで、その年の秋ごろに国へ逃げて帰って、何食わぬ顔をして暮らしていたんです。勿論、そんなことは他人にうっかりしゃべられないんですが、それでも酒に酔った時などには、囲炉裏のそばで弟に話したことがあるので、作兵衛はそれをよく知っていたんです。
それから二十年経つうちに、兄の作右衛門はある年の冬、雪にすべって深い谷底へころげ落ちて、その死骸も見えなくなってしまったといいます。あとは弟の作兵衛ひとりで、女房も持たずに暮らしていると、これもなにかの商売用で初めて江戸へ出て来ることになったんです。それが文政八年の五月頃で、若い時から兄貴のおそろしい話を聴かされているので、自分は勿論おとなしく帰る積りであったところが、扨いよいよ江戸へ出てみると土地が賑やかなのと、眼に見る物がみんな綺麗なのとで、なんだか酔ったような心持になって、これもむらむらと気が変になって、とうとう兄貴の二代目になって