Japanische Klassiker mit Furigana
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ちえのいちたろう
智恵の一太郎
江戸川 乱歩
Lesen Sie 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 67.333 Zeichen · 134 Bildschirme
一太郎君はマリを拾って、塀の外へなげ返してやろうと思って、縁側から庭下駄をはいておりて行きました。そして、塀の近くの立木の下をさがしていますと、玄関の方から、
「マリをとらせて下さい」
と叫んでいる子供たちの声がきこえて来ました。
一太郎君は表の方からお庭へ入る枝折戸のところへ行って、それを開きながら、
「ア、賢ちゃん広ちゃんだね。君達も入ってマリをさがすといいや。なかなかめっからないんだよ」
と、二人の少年をお庭へさそい入れました。
そして、三人づれで立木の下をしばらくさがしまわっていましたが、やがて、賢ちゃんという子供が、
「アッ、ここにあった。こんな穴の中へおちていたんだよ」
と、云って塀ぎわの地面を指さしました。
それは、ゴムマリよりもちょっと大きいぐらいの広さで、一米もあるような深い穴でした。少し前までは、そこにお庭を照らすための電燈の柱が立っていたのですが、電気節約のために、それをやめて、柱をぬかせてしまった、そのあとの穴なのです。
賢ちゃんは地面に腹這いになって、右手を肩のへんまでその穴の中へ入れて、マリを取ろうとしましたが、穴が深くて、指がマリにとどかないことがわかりました。